うちのハナがパテラの手術を受けてきました。
わたしはマイクロティーカッププードルのハナ!
生まれつき右足のひざが悪かったみたい
パテラ:膝蓋骨脱臼グレード3
気づいたきっかけ
ちょうどハナが1歳になる頃、右足を上げて歩いている仕草を発見しました。
普段は両足をついて歩いているようにみえるけど、ときどき右足をついてない??と思うことが増えたのです。
そして両足の太ももを触ってみた時、右足の方が細い感じがしました。
実際に測ってみると、たしかに太さに差が。
これは何かあるなと思い、かかりつけの動物病院へ行きました。
わたし無意識に右足をかばっているみたい
診察:手術の勧め
ハナは膝蓋骨脱臼でした。
犬の膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨という膝のお皿の骨が、脱臼状態つまりずれてしまう状態のことです。
症状の出方はその仔によって様々で、グレードが低くても症状が出る仔もいれば、グレードが高くても症状も痛そうな素振りがない仔もいます。
膝蓋骨脱臼(通称:パテラ)は特に小型犬であるトイプードルやチワワ、ポメラニアンなどに多い疾患だそうです。
ハナは体重1.1kgのマイクロティーカッププードルなので、体の小ささもあってか膝も弱かったのでしょうか。
診察の結果、パテラグレード3という診断でした。
膝蓋骨脱臼のおもな症状
- 片足を上げて歩いている
- 伸びをするとき片足だけ伸ばしている
- 片方だけ筋肉が萎縮して太ももが細い
- 痛そうな様子がある
グレード1 | 膝蓋骨は正常な位置にあるが、力を加えると外れる |
グレード2 | 膝蓋骨は正常な位置にあるが、外れやすくなっている |
グレード3 | 膝蓋骨が外れており、力を加えると正常な位置に戻すことができる |
グレード4 | 膝蓋骨が外れており、力を加えても正常な位置に戻すことができない |
グレードは4段階に分かれており、必要な治療をしなかったり、激しい運動をしてしまうと悪化することもあるのだそうです。
手術がおすすめなケース
- グレード3以上
または
- グレード2かつ症状がある
のいずれかに当てはまる場合とのこと
うちのトイプードル・ハナはグレード3との診断なので、手術を勧められました。
パテラ手術を受ける決断
ただ、ハナは常に痛そうなわけでもないし、基本的には元気なので、わざわざ手術するほどなのかぁと悩みました。
1.1kgしかない小さい体に負担をかけてまで手術の必要があるのだろうか・・・。
緊急性も高くないとますます悩んでしまいます。
医師も手術を強要するようなことはなく、様子見という選択肢も話してくれました。
膝蓋骨脱臼を放置して将来悪化してしまう恐れ、最悪の場合歩けなくなってしまうこともあるということをお伝えしておきます。
獣医師としてはできれば手術をお勧めします。
もちろん、手術せずに様子を見るというのも選択肢の一つです。
メリット | デメリット | |
手術を受ける場合 | ・膝蓋骨の位置が治る | ・手術をしても再発するケースがある(10%前後) ・感染症のリスクや麻酔に伴うリスクがある ・金がかかる |
手術しない場合 | ・手術のリスクがない ・お金がかからない | ・膝をうまく使えないことで膝周りが拘縮したり筋肉が萎縮して、歩けなくなることもある ・将来的に膝の前十字靭帯断裂を起こす(60%前後) |
診察の後一旦家に帰ってからじっくり考えた結果、手術を受けることに決めました。
理由はおもにこの3つです。
- 将来のことを考えて、膝を正しい位置に戻した方がよい
- 手術をするなら若いうちの方がよい
- 加入しているペット保険は膝蓋骨脱臼も適応だった
ということで、手術をお願いしてきました。
パテラ手術の経過
では手術の経過を時系列でまとめます。
手術直後の経過
手術当日は何も食べずに病院へ連れていきます。
- 手術当日の午前中に入院
- 当日朝は食事抜き
- 午後1時頃から手術開始
- 術後は病院内で管理
- 退院日は術後の経過をみて判断
所要時間:1時間程度
以下の手順で手術が行われます。
- 膝の骨の溝を深くして、お皿をはまりやすくする
- 膝の周りの筋肉にハサミを入れて、テンションのかかり方を調整する
- 靭帯の向きを正常に戻し、ピンで埋め込んで固定する
- 膝周りを覆っている膜も切り抜いて縫合する
手術が終わり、夕方頃に報告の電話がありました。
手術は無事に終わりました。
術後は安定しており、意識も戻っています。
退院は早ければ4日後、長引けば7日後頃を予定しています。経過を見て決めさせていただきます。
手術成功で一安心!!
水曜日に手術をして、日曜日の退院となりました。
1週間くらいの入院かと思っていたので、早まった形となり、ちょっとうれしかったです。
ただ、早めた分、傷口は痛々しそうで、本人もまだ痛みがあるのかあまり元気がない様子。
傷口を舐めないようにしているエリザベスカラーがいやそう。
避妊手術の時にはエリザベスウェアでよかったけど、今回は足の手術だからウェアだと舐めれちゃうのでカラー必須。
痛いしカラーは邪魔だしとってもつらいわ!
この期間が一番辛い期間ですよね。
はやくよくなれ〜と見守ることしかできません。
安静にしてしっかり療養が必要な期間です。
退院当日は元気がなかったものの、翌日、翌々日と立つにつれて、歩く量も増え、だんだん走ったりジャンプしようとする様子を見せ始めていました。
おもちゃを咥えて遊ぼうとしています。
まだ安静が必要な時期なのにジャンプしないように止める方が大変なほどに回復しました。
本当にすごい回復力。
痛々しかった傷口も徐々にきれいになっていき、退院から7日後に抜糸のため通院を予約。
・・・の予定が、抜糸の前日の朝、夜中のうちにエリザベスカラーが外れてしまっていたようで、傷口をなめまわしてしまうという事件発生!!!
しかも、5箇所ほどあった縫い糸を3箇所も噛みちぎってしまった様子・・・
病院に電話すると
もう抜糸の時期なので、それが原因で感染症などになる可能性は低いです。
ちぎってしまった糸も、飲み込んでいたとしても細いものなので、便と一緒に出てくるでしょう。
残っている糸は予定通り明日抜糸しましょう。
明日までは念のためエリザベスカラーは外さないように気をつけてください。
ああ、やってしまった・・・
カラー取れたらそりゃ舐めちゃうわ!へへーん
翌日、病院で残っている糸を抜糸をしてもらました。
傷口はもうすっかりふさがっているそうで、安心しました。
順調な経過でなにより。
術後の再発のほとんどは術後1~2ヶ月で起こるとのことで、この期間はできるだけ激しい運動は控え、安静を保つように気を付けてください。
傷口の経過はこんな感じ。
1週間できれいになっていきました。
誤字:抜糸が抜歯になっていてすみません
2週間後の経過
手術から2週間後。右足もちゃんと付いてブレブレになるほど元気いっぱいです!!
1年後の経過
パテラの手術をして1年。
また太もも周りを計測してみました。
手術前は左が太く、右が細かったけど、左右の太もも周りがほとんど同じ数値になった!
左太もも | 右太もも | |
手術前 | 10.7cm | 9.2cm |
手術1年後 | 10.4cm | 10.6cm |
右の太ももは+1.4cmもアップ!
しっかり筋肉がついたみたい。
左は若干痩せた?誤差の範囲かな?それとも、手術前は右が使えない分、左に余計な負荷がかかって、太くなっていたのかもしれない。
手術のおかげで右足も使えるようになったみたい!
パテラ手術費用 内訳
手術料 右膝蓋骨脱臼整復術 | 188,000円 |
入院 4泊5日 | 20,250円 |
麻酔料 | 22,000円 |
留置処置 | 3,000円 |
採血料2回 | 2,000円 |
血液検査2回 | 25,960円 |
術前血液検査 | 3,000円 |
レントゲン検査 | 18,000円 |
手術消耗品 | 13,784円 |
術部消毒4回 | 1,200円 |
包帯法 | 5,000円 |
包帯巻き直し2回 | 6,000円 |
入院管理費 | 2,476円 |
培養検査 | 8,000円 |
治療 静脈点滴 | 10,700円 |
治療 静脈点滴 | 13,390円 |
治療 皮下点滴 | 5,200円 |
ペインコントロール | 6,000円 |
処方料 | 500円 |
内服 ウルソ錠 | 1,120円 |
内服 ビクタス | 1,000円 |
内服 トコフェノール | 750円 |
内服 メタカムシロップ | 2,500円 |
内服 ファモチジン | 2,000円 |
アニマルネッカー | 1,600円 |
合計 | 417,131円 |
手術時に支払ったのは約42万円。
この後、抜糸や術後レントゲン検査でも必要になるので、総治療額は50万円くらいになりそうかな。
かなりの金額ですよね。
うちは保険のおかげで2割負担で済みました。
パテラ手術まとめ
手術を受けるかどうかは迷ったけど、結果として受けてよかったです。
将来悪化してしまったら大変なことになるし、あのまま右足をかばったままでいたら左足への負担が大きすぎるので、不安要素を取り除けたのがよかったと思います。
手術はその時は大変だけど、まだ若い仔犬ならその先の将来のことを見据えて判断してあげたいですよね。
わたしがんばったからたくさんほめてね!
ハナ、とってもがんばったね!
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